コンサルティング
●単独で受託するモデリング・コンサルティング
企業および公的機関の経営問題において、実世界を抽象化してモデルの世界に置き換え、そのモデルについてコンピュータ上で経営を試すことを「仮想経営」と称します。この仮想経営で試された結果を実経営に反映させることにより、戦略のリファインと実経営でのリスクの回避等を目指すことができます。
ワーキンググループと一体となって活動する場合はプロジェクトごとにさまざまな形態をとりますが、単独の場合には主に次のような形態となります。
単独で受託するビジネス・モデリング・コンサルティングの形態 対応形態 :主に、E-mailで受け付けたプロジェクト途中のモデルなどの結果と、それに関する質問に対して、24時間以内(努力目標)に回答します。
参考までに、モデリングとシミュレーションによる仮想経営を活用した経営・事業戦略の検討について説明します。
仮想経営を活用した経営・事業
戦略に関する検討 しかし、Powersimツールを使って提案している経営・事業戦略問題に関する支援コンサルティングは、経営者・あるいは管理者が意思決定のために参考とする材料を提供するためのコンサルティングであり、最終的に決定するのはあくまでも経営者および管理者である貴方だと十分に認識しています。
「戦略」と言う言葉の意味を明確にしておきます。「経営戦略」は大きくは「全社戦略」と「事業戦略」とに分けられます。それらは、事業創出・事業撤退・M&A・全社資源配分などのレベルの話から、明日購入する材料の数量などのレベルの話まで影響範囲あるいは取り扱う対象の大きさが様々です。それらは例えば次のようなカテゴリ分けができるでしょう。それぞれのカテゴリで、モデリングとシミュレーションの使い方が異なります。
戦略的問題 シミュレーションは、戦略の株価や利益への影響度合いを評価するために使われます。 例 : 資産運用、技術導入、競合戦略、財務計画、価格決定など 経営執行問題 シミュレーションは、新たな投資と会社全体の予算の評価、収益の実績と計画予測との説明・報告に使われます。 例 : プロジェクト管理、財務計画、人事計画、顧客サービス、コールセンターなど 運営問題 シミュレーションは、ビジネス・プロセスの変化が実績、顧客満足度、生産性、原価などにいかに影響するかを理解するために使われます。 例 : 能力計画、財務計画、サプライ・チェーン・マネージメント、製品開発、 コールセンターなど
ビジネス・モデリングとシミュレーションは、下の図に示す4種類の場で使われます。 ・ それぞれの戦略に関するシミュレーションを実行するには、まず、ビジネス・プロセス・モデルを構築する必要があります。モデルを構築してシミュレーションを実施するまでの概略の流れは以下の通りです。 現状の分析 ⇒ 問題のスケルトンの抽出 ⇒ 抽象化 ⇒ ビジネス・モデルの構築 ⇔ モビジネス・モデルの妥当性の確認 ⇒ シミュレーションによる予測 このモデルの構築は、一般には工学系の分野で数学モデルを作成してコンピュータへ実装する流れと同じです。ただ、工学系では物理や化学の確たる数学モデルが存在して、その原理をベースにした実用化モデルの開発が行われるのですが、社会系システムではそのような確たる数学モデルは見当たらないことが多く曖昧さが沢山残ることが工学系と異なるところです。
システム・ダイナミックスでは、実社会の問題の中からテーマとしている特徴のある部分を抽出して抽象化、即ちモデル化します。ですから例えば、伝票のやり取りなどは業務システムでは重要ではありますが、モデル化では一般に対象外です。このモデル化を画像で例えるなら、詳しければ詳しいほど良い精密画や精密写真ではなく、対象の特徴を抽象化して描く油絵のようなものです。
さて、モデルを作成しても、その妥当性が確認されていないと予測結果が信頼できません。一般には、過去のデータを使ってモデルのチューニングと妥当性の確認をします。例えば、ある設備投資に対する過去1年間の連続した顧客数、売上等が記録されていると、その実績データにシミュレーション結果がほぼ一致するように、モデルの変更可能な設定条件を変更調整します。モデルをその状態で固定して、次期の設備投資を入力条件にして次期以降の業績、顧客数、売上等をシミュレーションにより予測します。この様子を下図でご覧下さい。
パワーシム製品は大変使いやすくできていますが、実世界を抽象化するモデルの作成にはある程度の知識と技術の修得が必要です。パワーシム社では欧米を中心にして講習会を開催しています。ただ、日本のお客様には費用、時間、言語の問題で不便です。
そこで、POSYでは、3日間の効率的な少人数のトレーニング・コース「基本コース」を、お客様を訪問して実施しています。このコースでは、パワーシ製品の主な機能を「習うより慣れろシリーズ」の実習をベースにした、 @ ビジネスモデルの計画・設計、 A モデルの検証、 B ビジネス最適化条件の決定、 C ビジネスを取り巻くリスク分析、 D リスク管理の条件の決定など、 あるビジネスを対象に一貫した課題で学習していただきます。
コースを受講された方々を見ていますと、受講に対して期待されていた通りに、皆様が初歩的なビジネスモデルを作成するためのシステム思考を学習され、ビジネス・モデルの構築とそのシミュレーションを一応のレベルですが修得されています。
ところで、このような戦略決定を支援するためのシミュレーションは、SAP R/3 や Oracle ApplicationなどのERPパッケージを採用して、一貫したデータ・ウェアハウスで経営データを保管・管理している企業だけの問題ではありません。競争力に富んだ独創性豊かな経営を目指すなら、見込みの高い戦略の決定は重大な鍵です。従って、ERPパッケージをフルには採用していなかったり、全く採用していない企業であっても、経営データを何らかの形で記録し保管・管理している企業であるなら、このモデリングとシミュレーションを活用できますし、活用すべきです。
POSY では、戦略的企業経営システム(SEM)を採用していないが、企業・事業の戦略と計画をより信頼性と確度の高いものにしたいと考えておられる、下図の左側の枠に属する会社は多いと思っています。そのような企業に対してPOSY 社はビジネス・モデリングとシミュレーションの領域で応援させていただきたいと考えています。
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