子供の頃、冬はサッカーでした。
当時、ボールを持った子供を先頭にハレー彗星のごとく両軍の選手が一本の長い尻尾になって走っていました。尻尾の子供たちにはゴール・ポストのこなど頭になく、ボールを持った先頭の子供をひたすら追いかけていました。
今、日本代表チームの試合を観戦すると、ゴールを奪う直前の選手たちの動きはなかなか分かりにくいのですが、あとでビデオを何度も観ると、例えば、中田(英)がボールを奪うと高原が敵陣の空いたスペースにダッシュし、同時にその両サイドの稲本と中村も中田(英)がボールを出すことを確信して「ターゲット・イメージ」に基づいてボールがないところでの「フリー・ランニング」を仕掛けています。 1本のゴールの周りで各選手の無駄にも見えるアクションが敵陣を混乱させゴールを奪い取っている様子が、ビデオを繰り返し見ているうちに少しずつ理解できてきます。当たり前ですが、目標であるゴールの位置についての彼らの認識は完全に一致しています。
企業経営において、サーカーの「ターゲット・イメージ」のような戦略実現に向けた戦略目標を経営者と全社員が持つためには、バランスト・スコアカードを経営のフレーム・ワークとして採用するのが最適ではないでしょうか。 しかし戦略目標を持ったとしても、経営ではサッカーのように繰り返しコンビネーション練習ができるわけではありませんから、その目標を具体化して各自に分かり易く意識させるために、数値目標であるKPI(重要業績評価指標)が必要です。この数値目標は、原則として中期計画の期間にわたって時系列的に設定される必要があります。
さて、この目標値を設定するとき、サッカーのゴール直前の無駄にも思える選手たちの動きが、チーム全体では整合性のとれた「ターゲット・イメージ」のアクションになっていたことを思い出してください。 企業経営においても不確実な環境の下で戦略を成功に導くには、バランスト・スコアカードを適用する対象であるビジネス・ユニット(SBU)の全構成員が、時間経過ごとにSBU全体で整合性のとれた目標値を持ち、たえずそれを目指そうとする状況にあることが不可欠なのです。
バランスト・スコアカードを適用するとき、適用組織の中で常に整合性がとれているKPIの目標値をどのようにして設定できるでしょうか。 私はそのために、システム・ダイナミックスに基づく「モデル・ベースト経営」の適用を提案します。
■ JSD学会誌 システムダイナミックス
第5号掲載 ;2006年2月
■ 内部資料 ;2004年12月
ここに取り上げているモデルは、フリーのPs
Studio Express では開くことができない大きさで ■ ビジネスモデル学会秋季大会発表資料 ;2004年10月 「BSC戦略経営に適用するビジネス・プロセス・モデル」
■ JSD
ビジネス・プロセス・ダイナミックス研究分科会
発表資料 ;2004年3月改定 「モデル・ベースト経営技術を組み込んだバランスト・スコアカード経営」 ■ 経営情報学会2003年度春季全国大会発表資料 ;2003年6月 「BSCをフレームワークとしたモデル・ベースト経営」 |